竹の子の会/竹の子ようちえん
竹の子の会/竹の子ようちえん

生活と放射能Q&A

◇ 東電原発事故による放射能に対する会の見解 ◇

東電福島第一原発事故による放射性物質拡散の影響は広範囲に及びました。 竹の子の会教師会は積極的に情報収集を行い、信頼できる専門家のアドバイスのもとに、会の活動における安全性を充分に確保するための対策と指針を作成してきました。 それらに基づいて会員向けにまとめた報告を、これから竹の子の会への参加を検討されている親御さんのご参考のために公開いたします。 以下、その全文になります。

2011年7月

東電福島第一原発事故による放射能の影響について、目に見えないだけに、不安に感じていらっしゃるお母さん方が多いと思います。 ご質問を多数いただきましたので、会としての判断と対応をまとめてみました。

竹の子の会教師会は、事故後、積極的に情報を収集し、放射線の専門家にも相談しながら安全性の確認に努めてきました。 5月23日には、第一種放射線管理主任の資格をもつ専門家立ち会いのもと、竹の子の会の活動場所である大倉山記念公園一帯と、綱島の竹の子ようちえん園舎の放射線量を計測しました。

大倉山記念公園では松林の落ち葉の上、草むらの中、ライゲンの広場、水たまり、落ち葉の堆積の上、ホオの木の広場、梅林の池など計7箇所、竹の子ようちえんでは園庭と園舎内の2箇所について、子どもたちが活動する地表の線量を調べました。

結果は、室内、室外ともにすべての測定箇所が毎時0.09~0.13マイクロ・シーベルトの範囲内でした。 ガイガーカウンターの30秒間積算モードで、1箇所につき20回測定した値の平均です。 使った測定器は中国製の簡易タイプで、参考値とお考えください(事前に高精度の線量計と同時測定し、かけ離れた値が出ないことを確認済)。

室内と室外で違いが出ないのは、この測定器では壁を透過してくるガンマ線の値が大きく出るからです。 また、新聞の定点測定情報よりも値が高いのは、計測ポイントの地表からの高さが違うからです。 地表近くは自然の放射線の影響が大きいので、地上15mという高い位置で測定されているのです。 今回の測定は地表で行っているので、自然放射線を割り引いた値が原発の影響と考えられます。 日本地質学会が公表しているこの地域の自然放射線量はおよそ0.02~0.05マイクロ・シーベルト相当です。

総合的に判断して、大倉山、綱島周辺での活動はおおむね安全と考えてよいと、専門家の方と確認しました。 心配された落ち葉の堆積やたまり水からもとくに高い値が出ず、すべての箇所にほぼ同じ値が出ています。 放射性プルーム(高濃度の放射性物質を含んだ空気のかたまり)がこの地域を通過した際に、降雨でホットスポットがつくられた形跡はなさそうです。 今回の放射性物質は3月15日にそのほとんどが放出され、その放射性プルームが各地を漂いながら雨などで落ち、ホットスポットをつくりました。 現在では放射性プルームはなくなり、新たな放出も観測されていません。

以下、この結果を踏まえながら、皆さんのご質問についてお答えしたいと思います。

  1. 外遊び、泥遊び、水遊びはしても大丈夫でしょうか?

    問題ありません。強風で土埃が舞うような日には、念のためひかえましょう(ほこりを吸い込まないため)。
  2. 雨の危険性はどうでしょうか?

    現在、原発周辺の大気のサンプリング調査でも、各地で行われている定時調査でも、大気中の放射性物質は非検出です。雨や風向きを気にする必要はありません。
  3. 海水浴は?

    湘南地域の海の危険は小さいと考えられます。ただし、海の汚染状況についてはまだ資料が少なく、状況がはっきりするまでは海水浴をひかえることも賢明な選択です。 なお、プールは安全です。
  4. その他、日常生活での放射線とのつきあい方について

    今回のような事故の場合、複数の経路について考慮する必要があります。

    • 環境に落ちた放射性物質からの影響(外部被曝)
    • 食べ物等を通して体内に取り込んだ放射性物質の影響(内部被曝)

    この地域では、環境に落ちた放射性物質からの影響についてはピリピリする必要がなくなりました。 半減期8日間の放射性ヨウ素の影響はすでになくなり、放射性セシウムの降下量も小さいものです。

    今後は、食べ物や牛乳などに濃縮されてくる可能性に注意が必要です。 すごく危険というわけではありませんが、長期的にとり続ける影響は無視できません。 産地や公表された測定データを見ながら、なるべく摂取を抑えることが大切です。 ただし、「なるべく」ですので、食べてしまっても気に病まないこと。

    この地域の水の危険性は小さいですが、気になる方には原理的に放射性物質を高率で除去できる逆浸透膜浄水器というものがあります。 海水を淡水化するプラントに使われている技術です。 最近では、「ピュアウォーター」などの名称でスーパーに給水器が置かれており、ボトル代程度の初期負担で利用できます。

    放射性セシウムは半減期が長いので、微量でも長いおつきあいになります。 室内は拭き掃除、ベランダはデッキブラシでこすり、早く洗い流しておきましょう。

    なお、放射線への感受性には個人差があるので、もしも気になる体調の変化があるようなら、信頼できる医師に相談してください。

  5. 子どもたちの心のケアについて

    子どもは周囲の大人の気持ちや言動に大きく影響されます。 大人がナーバスになれば、子どもにも影響が及びます。 情報を押さえて自分の指針を立てることが大切です。 不安が大きいようなら、ご夫婦でしっかり話し合い、信頼できる人に相談することも助けになります。 私たち教師にも遠慮なくご相談ください。

竹の子ようちえんでは、以上のような安全性の確認を行った上で、逆浸透膜浄水器を設置して水の安全性を高める、放射性物質が植物に取り込まれるのを抑制する効果が確認されたバイオダイナミック農業の調剤を散布するなどの対応を行っています。 関心をおもちの方は、どうぞお尋ねください。

(2011年7月現在の見解です)