竹の子の会/竹の子ようちえん
竹の子の会/竹の子ようちえん

活動場所の線量測定報告

◇ 第2回目の報告 ◇

昨年9月、大倉山記念館近くのマンション屋上の堆積物からストロンチウムと高濃度の放射性セシウムが検出されました。 その後も横浜市内外の保育園・小学校・中学校で安全基準を超える放射線量が測定されたことが報道されていました。 これは、事故当初薄く広く降り注いだ放射性物質が6ヶ月の間に雨などによって流され、雨樋の下や落ち葉などの堆積物の中にたまって濃縮された結果であると考えられました。

竹の子の会では、5月に専門家立ち会いの下、活動の中心となる記念館周辺の放射線量を測定し、安全値であることを確認していましたが、これらの報道を受け、記念館周辺でも台風の季節を過ぎて落ち葉の堆積物の中や雨水が流れ集まるポイントに放射性物質が濃縮され、ホットスポット(部分的に放射線量が高い場所)が生じた可能性があるとみて、昨年11月29日に2回目の計測を教師によって行いました。 以下はその報告です。

2012年1月

測定方法

今回は2種類の計測器を使って、1カ所につき3分間、同時に計測する方法をとりました。 1つは「シンチレーション」タイプのもので、低めの値が出る性格の計測器(DoseRAE2)、もう1つは「ミュラー管」タイプのもので高めの値が出る性格の計測器(TERRA)です。 この2種の計測器の平均値を測定結果として考えています。

今回の計測は6ヶ月の間にホットスポットが生じていないかを確かめるという目的でしたので、先回の計測ポイントよりも多くの箇所を測定しました(16カ所)。 また草木の茂みや斜面にたまった落ち葉の中、池の周辺など、雨水が流れ集まりやすい場所を特に念入りに測定しました。 いずれのポイントも地表に直接計測器を置いて測定しています。

測定結果(最終ページ表及び地図参照)

16カ所の測定値はいずれも毎時0.08~0.12マイクロシーベルトの範囲内で、先回の値と同じかやや低い線量が計測されました(もちろん計測器も計測ポイントも先回と違っているので正確に比較することはできませんが)。 また地面や落ち葉の中、草木の茂みにもホットスポットが生じている痕跡は見当たりませんでした。 泥んこ遊びや落ち葉のお風呂、かくれんぼなどの外遊びをしても差し支えのない値であることが確認されたといって良いと思います。

安全基準値について

毎時0.08~0.12マイクロシーベルトの値が安全値であると私たちが考えている根拠について簡単にお話ししておきます。 放射能は自然界にもあり、この地域の自然放射線量は毎時0.02~0.05マイクロシーベルトであることがわかっています(日本地質学会公表)。 それに対し、X線検査などで浴びる人工的な放射線量は年間1,000マイクロシーベルト(1ミリシーベルト)以下を限度とする安全基準(国際放射線防護委員会:ICRP)が設けられています。 年間1,000マイクロシーベルト以下ということは、人工的な放射線量については毎時0.114マイクロシーベルト(1,000マイクロシーベルト÷365日÷24時間)以下であるべきという計算となります。 今回、大倉山記念館の周辺で測定された毎時0.08~0.12マイクロシーベルトの値はこの地域の自然放射線量の値を差し引くと原発事故による放射線量は一番高く見積もっても毎時0.06~0.1マイクロシーベルトであり、安全値内であることが確認されます。

低線量被曝について

では安全基準値内であるという数値が、子どもたちの安全と安心を保証してくれるのかというとそうではありません。 安全基準値内であるといっても、事故後に降り注いだ放射能の影響は継続しているのだと考えるべきです。 非常に低い線量だといっても子どもたちが今なお放射能を浴び続ける状況にあるということ、また食物を通して体内に取り込んでしまう可能性も多くあるのだということをいつも心に留めておかねばなりません。 成長過程にある幼い子どもは、低線量被曝による健康被害が後に大きく出る可能性があります。 低線量被曝による健康への影響は10年、20年の単位で現れてくるといわれています。 けれども現代の医学では、その時になって病気の原因が放射能によるものかどうか確かめるすべも治すすべもないというのが実情です。 今ただちに、私たちが、私たちの手で子どもたちを放射能による健康被害から守る対策が必要となっています。

予防法と安全対策

低線量被曝による健康被害から子どもたちをどのような方法で守ることができるのか、チェルノブイリの原発事故後25年間の経験から学び取ることができます。 ひとつには放射能を外から取り込まない努力をするということです。

  1. 食物の産地や農法を選択する
  2. ホットスポットを避ける、除染する
  3. 転地療養をする(放射能の影響がない土地へ疎開すること)

などがあげられますが、私たちが今すぐにできること、お母さんが一番気をつけるべきことは(1)です。 産地を確認して買うことである程度の内部被曝を避けられます。 特に多く摂取する米や野菜の産地を選択することは有効です。 有機農法で作られた作物は、放射性セシウムを取り込みにくい仕組みを持っています。 有機農法の食品は値段が高いですが乳幼児の時期だけでもよいですから実践してみましょう。

(2)(3)については是が非でも必要な地域に住んでいない限り、神経を尖らせて不必要な不安を募らせるのはかえってマイナスかもしれません。 しかし、放射線量計測器(ガイガーカウンター)が入手しやすくなっているので、一家に一台備えて、安全安心を自分で判断するすべを持つことも有効な安全対策となるでしょう。

もうひとつは放射能を内から排泄する食物を摂取することがあげられます。 「酵素」の働きが放射能で破壊された細胞の修復に有効であることが経験的にも科学的にも実証されています。 「酵素」は体内で消化・代謝を助ける働きをしており「酵素」を含んだ食物を食べることで身体の抵抗力・免疫力を高めることができると言われています。 では、どんな食品の中に多く含まれているのでしょうか?科学的に正確な分類ではありませんが、具体的な食品を記載しますので、参考にしてください。

  • 味噌/醤油/酢……こうじカビによる発酵/醸造食品
  • 納豆/ヨーグルト……細菌による発酵食品
  • 酵母パン……酵母菌による発酵食品

生きた「酵素」を含むこれらの食品が特に優れた食物であるということができます。 日本人である私たちにとってはごく日常的な食品である、味噌/醤油/酢/納豆などを食べていれば、放射能を排泄する力もつくのです。 また果物に含まれる酵素も有効です。 発酵させてジュースにするとなお良いということですが、日常的に摂取できる方法で良いと思います。

個人的な話になりますが、私はチェルノブイリ原発事故発生時、ドイツ南部に住んでいました。 ヨーロッパに流れ込んだ放射能はここ横浜よりもずっと高い数値でした。 その時、何人ものドイツ人から「味噌を提供してほしい」と言われました。 私は他の日本人と共に日本から味噌を送ってもらいドイツ人の友達に分け与えました。 なぜ「味噌」だったのか? 今回福島原発事故に遭遇して、はじめてそのわけを知ることができました。

長崎の原爆投下時、長崎の聖フランシスコ病院の医長を務めた秋月辰一郎医師の「味噌」による放射能対外排除の実践例がチェルノブイリ原発事故の際、多くのドイツ人に受け入れられたという背景があったのです。 私たちは日本人です。 ドイツ人よりも手軽に日常的に質の良い味噌や醤油を手に入れることができます。 そしてそれが子どもたちの低線量被曝による健康被害を食い止める有効な食品であることに感謝しつつ、生活に定着させましょう。

福島の原発事故はまだ終わっていません。 今後の経過を見守りつつ、竹の子の会では定期的に放射線量の測定を行い、皆様に報告してゆくつもりです。 質問や相談がありましたら、ぜひ遠慮せずにお寄せください。

2012年1月 竹の子の会教師会

参考文献

  • 「いま、子どもたちを守るために知っておきたい放射能のこと」野呂美加さんの講演録(出版:自然育児友の会)
  • 「体質と食物」秋月辰一郎著(出版:クリエー出版)

各ポイントごとの線量(16カ所)

単位(μSv/時)

番号場所DoseRAE2TERRA
(1) 梅林 池の周辺 0.09 0.14
(2) 梅林 手前の丘の落ち葉の中 0.08 0.13
(3) 梅林 手前の丘の落ち葉の中 0.08 0.13
(4) 大倉山記念公園 ホウの木広場 落ち葉の中 0.08 0.13
(5) 大倉山記念公園 ホウの木広場 植え込み下 0.07 0.11
(6) 大倉山記念公園 ホウの木広場 ホウの木の根元 0.06 0.11
(7) 大倉山記念公園 ホウの木広場 植え込みの下 0.07 0.11
(8) 記念館の雨樋の真下 0.10 0.14
(9) 記念館の植え込みの間 0.08 0.12
(10) 記念館の精神科学研究所入口の石畳 0.09 0.15
(11) 大倉山記念公園 松林広場ベンチ下 0.07 0.11
(12) 大倉山記念公園 竹林斜面落ち葉の中 0.07 0.12
(13) 大倉山記念公園 竹林斜面落ち葉の中 0.07 0.11
(14) 大倉山記念公園 いちょうの木の根元 0.07 0.13
(15) 大倉山記念公園 松林中央 0.07 0.13
(16) 大倉山記念公園 松林わきの草木の茂み 0.07 0.12

大倉山記念公園測定ポイント

大倉山記念公園測定ポイント